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第二曲「ストーリー」

第2話「愛と復讐の宅配便」


 湾岸署にやってきた青島に怪電話がかかってくる。「警察署の中は危険だ。気をつけろ。女45歳。お前を狙っている」と。怪しむ青島の前に大きな和久宛ての宅配便の荷物が届く。それを和久に届けると中年の女性が青島をじっと見ていた。彼女が刑事よりも恐ろしい保険の勧誘のおばちゃんであった。

 傷害事件がおきて保険の勧誘から逃れるが、その傷害の事件も別れ話を切り出した男の髪の毛を女が切ってしまったというもので、現場に向かった和久と青島を呆れさせた。取調べを終えて男は起訴を取り消すが、その女は「だから警察は嫌いよ」と捨て台詞をはいていく。さらに青島は取り調べに立ち会ってくれたすみれに食事をおごる約束をする羽目になる。

 そんな時警視庁捜査一課の室井が和久を訪ねてやってきた。八王子郊外の警官殺害の重要参考人の山部良和が映ったビデオを室井たちは和久に見せた。和久が以前取調べ中に暴力を振るったのだが、その殺された警官も取調べ中に山部に暴力を働き、その仕返しで殺されたのであった。

 室井を警視庁まで送っていった帰りに青島は父親を殺害された雪乃の病室を訪れた。彼女は事件のショックで口を聞けなくなってしまったのだが担当の医師から雪乃には殺された父親に対して隠し事があったのではないかということを聞く。

 朝、和久に贈られてきていた物は袴田課長からの健康チェアであった。照れる和久に対して真下らがその椅子に座るように薦める。和久が尻の下に硬いものがあると違和感を感じていると袴田がやってくるが、袴田はその椅子を送っていないと答える。尻の下に硬いものがあるといわれ、椅子の下を見た青島は椅子の下に手榴弾があることに気がつき湾岸署は大パニックになってしまう。

 刑事課の部屋に残ったのは和久と青島とすみれの三人であった。手榴弾が仕掛けられた椅子は和久が立つとお尻でおさえている安全レバーが離れて撃鉄のロックがはずれて爆発する仕掛けになっていた。

 ちょうどその頃警視庁の室井から電話がかかってくる。「贈られて来た椅子には爆弾が仕掛けられているから絶対座るな」と。椅子の贈り主は和久に仕返しをしようとする山部であった。

 安全ピンを元に戻そうとしてワイヤに触れた青島も身動きが取れなくなってしまった。和久は取調べでの暴力を謝ろうとするが、やはり警官殺しはゆるせず山部に怒りをぶつけてしまう。和久の同僚の刑事も殺されたことがあるのだ。

 どうしても今日青島と食事を行くことを諦めないすみれに対しても和久は叱るが、和久はその日が火曜日だということに気づきすみれに謝る。

 青島が「正義」という言葉を発すると和久が言った。「正義なんて言葉、口に出すな。死ぬまでな。心に秘めておけ。刑事は犯人に恨まれるんだ。…だからって犯人を恨むなよ。刑事は犯人を恨んではいけないだ。この仕事は憎しみ合いじゃない。助け合いなんだ。」

 ついに和久は我慢できなくなり立とうとするが、ちょうどそのとき爆弾処理班が到着し無事手榴弾の撤去作業を終える。

 火曜日にひとりになりたくないというすみれを青島は急いで予約していたレストランに連れて行ったが、あと少しのところで間に合わなかった。すみれが自分の過去のことを青島に話そうとした時、青島のポケベルがなり署に呼び戻されてしまう。

 しかしその時、雪乃が病室からいなくなっていた…。





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